電気メスとは

電気メスは、オペ室や外来での処置に使用される医療機器です。
一般的に、単極のモノポーラと双極のバイポーラの構造を備えており、
モノポーラは組織の切開、バイポーラは組織の凝固(止血)のために用いられます。

電気メスを表す言葉には、手術用ジアテルミー装置、電気外科手術装置、電気外科手術発生器、
ラジオ周波数発生器、または高周波発生器などがありますが、薬機法では総称して「電気手術器」といいます。

また電気メスは、国家規格である日本産業規格(JIS)では、以下のように定められています。

古い電気メスのイメージ画像



1.電気メス(一般的名称:一般的電気手術器)とは

高周波電流を用いた生体組織の切開又は凝固を行うために外科手術に使用する医用電気機器(ME機器)で、200kHz~5MHz以下の周波数帯を用いることが一般的です。
( JIS:T 0601-2-2:2014/201.3.218より引用)


2.電気メスにおけるモノポーラとは

アクティブ電極を介して患者に高周波出力電流を流し,別に接続する対極板を介して帰還する方法。
電気手術器で生成したエネルギーは,コードを通じて医師が保持する附属品に達し,患者を通り,広い表面積をもつ患者帰還電極(対極板)によって回収した後に電気手術器に戻る。

局所的な手術効果は,アクティブ電極の先端チップにおける電流密度によって生じる。高周波電流は,患者の体内に流入した後に,拡散して限局的な領域に手術効果をもたらす。

電流密度を低く抑えて,加熱などの効果を防止するために,対極板の表面積は,広くなるように設計されている。対極板は,回路における第二の極となる。

最も一般的なモノポーラ附属品は電気手術ペンシルである。この名称は,外科医が太い鉛筆を保持しているように見えることから名付けられている。
( JIS:T 0601-2-2:2014/201.3.226/BB.3.1より転載)

モノポーラの回路イメージ図


3.電気メスにおけるバイポーラとは

二つ以上のアクティブ電極を同一支持部に組み付けたもので,エネルギーを与えたときに,高周波電流が主としてこれらの電極間を流れる構造を備えた電極。

医師が使用する手術用附属品には二つの電極があり,各々が狭い表面積をもつ。高周波エネルギーは,電気手術器から第一電極に到達し,生体組織を通り第二電極に到達した後,電気手術器に戻る経路をたどる。電極及び電極間の生体組織との接触面積が狭いので,電流密度は高い。したがって,手術効果は電極で挟まれた生体組織の部分だけで生じる。

対極板は必要ない。

最も一般的なバイポーラ附属品は,電気手術ピンセットである。
( JIS:T 0601-2-2:2014/201.3.209/BB.3.1より転載)

バイポーラの回路イメージ図


侵襲範囲の小さな電気メス=RFナイフとは

モノポーラ4.0MHz・バイポーラ1.7MHzという高い周波数を用いた電気手術器です。
ほとんどの電気メスは300 kHz~500kHzの周波数帯を用いていますが、RFナイフはその数倍の周波数を用いることで電気の深達度が浅くなり、炭化を少なくし低侵襲で微細な切開・凝固が可能となっています。

RFナイフのロゴ
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